2011年12月3日土曜日

交差点 -『スティーブ・ジョブズⅠ/Ⅱ』を読んで(その2)-

スティーブ・ジョブズの評伝(/)を読んだ際のメモは以前こちらのエントリに書きましたが、少し時間をおいてなおリフレインしてくるフレーズがあるので追加でメモします。

この書籍で何度か出てきたフレーズが「交差点」です。

文系と理系の交差点、人文科学と自然科学の交差点という話をポラロイド社のエドウィン・ランドがしてるんだけど、この「交差点」が僕は好きだ。魔法のようなところがあるんだよね。イノベーションを生み出す人ならたくさんいるし、それが僕の仕事人生を象徴するものでもない。
アップルが世間の人たちと心を通わせられるのは、僕らのイノベーションはその底に人文科学が脈打っているからだ。すごいアーティストとすごいエンジニアはよく似ていると僕は思う。どちらも自分を表現したいという強い想いがある。たとえば初代マックを作った連中にも、詩人やミュージシャン活動をしている人がいた。1970年代、そんな彼らが自分たちの創造性を表現する手段として選んだのが、コンピュータだったんだ。レオナルド・ダ・ビンチやミケランジェロなどはすごいアーティストであると同時に科学にも優れていた。ミケランジェロは彫刻のやり方だけでなく、石を切り出す方法にもとても詳しかったからね。
僕は子どものころ、自分は文系だと思っていたのに、エレクトロニクスが好きになってしまった。その後、『文系と理系の交差点に立てる人にこそ大きな価値がある』と、僕のヒーローのひとり、ポラロイド社のエドウィン・ランドが語った話を読んで、そういう人間になろうと思ったんだ

あの有名な”Stay hungry, Stay foolish”で知られるホールアースカタログの発行人スチュアート・ブランドもこのように語っていたと言います。
スティーブはカウンターカルチャーとテクノロジーが交わるところに立っています。人が使うためのツールという概念を体現しているのです。

以前こちらのエントリでご紹介した「追悼 スティーブ・ジョブズ」(Mac Fan 12月 臨時増刊号)にも、ジョブズの下記のような発言が紹介されていましたね。
我々はいつもテクノロジーとリベラルアーツの交差点に立とうとしてきた。技術的に最高のものを作りたい。しかしそれは直感的でなくてはならない。

この「交差点」という言葉、やけに残るんですよね。

一体、自分は何と何の交差点に立つのだろう?

そんなことを考えながら週末に突入です。

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