そこまでそっち方面に詳しい人が多くない私のまわりでも、最近TwitterやFacebook(特にFacebook)の利用者が増えてきています。2011年8月時点の情報では、Facebookの利用者数は1083万人(日本)、Twitterは1496万人(日本)と言われており、その絶対数と言い普及の速度と言い、一つの生活基盤になりつつあるように思います。
その普及に伴って、ソーシャルメディアを活用したビジネスも当然ながら活況であり、巷にはソーシャルメディア○○というサービスが溢れて(氾濫して)います。と言いながら、私自身もいまいちソーシャルメディア○○の定義というものをうまく整理できていなかったのですが、先日目にしたブログ記事に、いわゆるマーケティングリサーチ方面のソーシャルメディア○○について、わかりやすい整理がされていたのでご紹介します。
詳しくは元記事("What is social media monitoring’s role in the Market Research mix?"(英語))を参照していただくとして、下記にはポイントのみを。
■ソーシャルメディア○○のネーミング色々
まずは、ソーシャルメディア○○のネーミングについて。あるところではソーシャルメディア「リサーチ」が話題になり、あるところではソーシャルメディア「モニタリング」が話題になります。
下記が元記事で紹介されているネーミングの定義です。(定義部分は”超”意訳です)
※本記事は特に「マーケティングリサーチ」まわりについての言及。いわゆるプロモーション系は包含されていません
※なお、筆者は、ソーシャルメディアリサーチの用途・目的の一つである、ディスカッションの創造、あるいは個人レベルでのエスノグラフィー的なリサーチ、といったところは今回の定義から外したと言っていますので、「マーケティングリサーチ」の全てを包含しているわけでもありません
・Social Media Listening
聞き手が前のめりに聞きだすのではなく、パッシブに聞き手が聞くべき発言(キーワードやトピック等)の出現を待つタイプの手法
・Social Media Research
「Listening」に対して、こちらはプロアクティブに、解が必要な質問に対する答えを導けるようにソーシャルメディアの参加者に働きかける手法
・Social Media Monitoring
一定期間、一貫した測定基準で指標を追う手法(例:自社ブランドに関するRTやメンション数)
・Buzz Monitoring
「Social Media Monitoring」に近く、特に、ホットなトピックやトレンドワードを拾う手法
・Blog Mining
その名の通り、ブログ記事にされた内容をマイニングしトレンドを拾う手法(”時代遅れ”という記述あり)
・Social Media Analysis
ソーシャルメディアそのものの働きや効果(メッセージの拡散度、ROI等)を測る手法
こう改めて書いてみると、それぞれの定義や違いを正確に使い分けずに漠然と用語を濫用していることに気付きます。(私だけですかね。。)
■ソーシャルメディア○○の目的
Social media listening/monitoring/researchと色々とネーミングとその役割はあるわけですが、ソーシャルメディア○○の用途や目的はどういったところにあるのでしょうか。筆者は下記のようなものを挙げています。
・Early warning post
危険サインの早期発見として。ブランドや組織が把握しておくべき重要な事項(特に危険なサイン)をいち早く発見する。
・Fast Fact Checking
素早い事実の確認に。世の中で起きていることをファクトとして押さえる(Wikipediaの拡張版との記載)。今日のニュースは?トレンドは?
・Apply Word of Mouth (WoM) Metrics
口コミの測定として。口コミを通して、ブランドの浸透度、キャンペーンの成果、お店やサービスの満足度等を背景とともに知る。口コミってWord of Mouth (WoM)って言うんだ。。
・Predictive Research
予測ツールとして。選挙結果、株式市場の動向、チケットの売上予測といったところのインプットとして活用する。ROIが重要視されるにつれて、その成果を測る事前予測が求められている。
・Market mapping, and segmentation studies
いわゆるマーケットリサーチの簡易版として。ある特定の市場や製品領域では、自然に起こった会話でリサーチが可能。いつ・誰が・何について・どう思ったのかがわかる。簡単ではないが実績は作られつつある。
・Stage One Research
マーケットリサーチの最初の一歩(仮説作り?)として。定量/定性リサーチのスコープを決めるために、ブランドはどんなコンテキストで語られているのか、どんな言葉で表現されているのか、典型的なユーザーはどんなタイプかをざっくり掴む。
・Ideation
アイデアを積み上げる手段として。マーケティングリサーチでいうところのフリーアンサー的なものか。
・Reactive Research
リアクティブなリサーチとして。ある決まったイベント(例:あるサービスに対するクレーム等)が起こった場合に、事前に用意しておいた質問リストから、その発言者により多くの情報・コメントを求める。
こうやって整理すると、色々な活用方法があることがわかります。
■他には?(Any More?)
元記事は、"Any More?""Well these are my eight types of social media listening/monitoring/mining research. Do you have others you’d like to add?"という記述で締められています。
個人的には、この記事取り上げられているのは、リサーチする側とソーシャルメディア参加者との単線的なやり取りをメインにまとめられている印象があり、「ソーシャル」というからには、より「人のつながり」を活用した方法論や目的があってもいいのかと思いました。誰が口コミのハブになっているのか、どういう経路で情報が伝播し同意・反論がどのようなクラスタになっているのか、商品やブランド特性に応じた伝播の仕方に違いはあるのか(誰かをハブにするのか、面でバーっと広がるのか)、等々。
日本でもWebマーケティング会社、リサーチ会社、広告代理店等から色々な手法が提案されていますが、どのような目的や方法論に収斂されていくのでしょうかね。まだ「これ」といったところがないという点、そして肝心の「効果」「成果」がまだあまりはっきりしていないという点から、面白い領域だと思います。
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