2011年8月18日木曜日

軸を持つということ -フレデリック・バック展を鑑賞して-

記念すべき第1回目のBlog投稿。
何を書こうかと思いましたが、夏休み中の出来事を通して考えたことを少し。

先日、東京都現代美術館で開催中のフレデリック・バック展に行ってきました。

※開催概要はこちら

















フレデリック・バックと言えば、アカデミー賞受賞作品でもあるアニメーション「木を植えた男」を代表作に持つアニメーション作家。
※フレデリック・バックのホームページ
※Wikipediaの解説

素人目にも非常に画力のある作家で、印象的な色彩で描かれた多様な画風(作風)の作品が数多く展示されており、冒頭にはアニメーション「木を植えた男」の全編の上映も。飽きずに一点一点見入っていたので、出てくるのに2時間強かかりました。

恐らくバックは器用で技術もあって、作品のバリエーションや趣きは多様です。食うために、テレビのクイズ番組で何を描いているのかパネラーが当てるコーナーで、絵を描くような仕事もしていたようです。

一方で、一つ一つの作品のメッセージ性が強く、バックには、一つの軸(信念のようなもの)が通っているように感じました。「木を植えた男」に出てくる羊飼いがまさにそのような男で、世間の喧騒を離れ、フランスの山岳地帯にただ一人とどまり、荒れ果てた地を緑の森によみがえらせるのですが、まるで自身をそこに写しているのではないかと思うような内容でした。
バックの場合、軸(信念)は、自然環境保護であり、動物愛護であり、文明批判であったようです。
ちなみに、この「木を植えた男」の作成には5年半の歳月がかかっており、約2万枚の作画はバックほぼ一人でこなしたというから、ここにもその信念のようなものを感じます。

翻って、自分自身はどうかということを考えさせられました。自身が一生コミットしていける「何か」は見つけられているのか。日頃のサービス企画やマーケティングの中でも絶対譲れない軸となる「何か」は守れているのか。これがないと、いくらテクニックを身につけても、器用貧乏に終わるのだろうと思います。
改めてそんなことを考えさせてくれた展覧会でした。

※2011年10月2日(日)まで開催しているようですので、ご興味のある方は是非

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