2011年8月21日日曜日

マーケティングの第一歩 -『Twitterアクティブサポート入門』をご献本いただきました-

本日、近日発売になる『Twitterアクティブサポート入門 「愛される会社」時代のソーシャルメディアマーケティング』の著者でおられる、@smashmediaさんとランチをさせていただきました。

新著をご献本いただくかわりに、ランチをご馳走する(てほどでもない普通のご飯。。)っていう、なんか新しい献本のスタイル。@smashmediaさん、ありがとうございました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。
ちなみに、関係ないですが、本書は装丁が超ビビッドなショッキングピンクで、電車で読むには目立ち過ぎること請け合いです(笑)

実は、まだ書籍自体は読めてないのですが、「はじめに」には目を通しました(そこだけ?とか言うのはなしです)。そこに記載されている下記の内容で、本書の内容はイメージいただけるのではないでしょうか。。
マーケティングの第一歩は「消費者を正しく理解すること」からはじまります。アクティブサポートを行い、消費者と直接対話して、本音を伺うことで、これまでよりも正しく理解できるはずです。

さて、本書はこれからじっくりと読みたいのですが、色々と興味深いお話を聞かせていただいたので、忘れないうちにメモっておこうと思います。
お話を伺っていて感じたことは、本書の論点は、『Twitterアクティブサポート入門』というタイトルに集約されているということです。そこで、私の勝手な解釈で「Twitter」「アクティブ」「サポート」の3つで整理したいと思います。(正しい理解であることを祈りますが責任は持てません。。)

■Twitter
まずは言わずと知れた「Twitter」。なぜ今このツールなのか。
著者は「消費者を正しく理解すること」と書かれていますが、どの企業もいまや消費者の声を拾うことの重要性は知っています。ただし、これまでの声を拾う手法にはその範囲や内容に一定の限界がありました。いわゆる、「サイレントマジョリティ(大多数の人は腹に一物抱えていても何も言わない)」の問題です。
例えば、グループインタビューでは、声の大きい人に同調する圧力がかかったり、企業の期待する回答をなんとなく気にしながら答えたりということがありえますし、コストもなかなかのもの。何かに不満を感じた時に、コールセンターに勇気を出して電話をかける人がどれだけいるか、不満は感じているのに最悪何も言わずに離反する消費者もいるはずです。また、オンラインリサーチでは量的な側面は多くの人から声を拾えますが、質的な側面には限界があります。
(誤解なきよう、それぞれある面では有効な手段ではあることは断わっておきます)

これを補うのが「Twitter」、というわけです。Twitterなら低コストで幅広い層から声を拾えますし、声を発する方も気軽に製品やサービスについて本音をポツリとつぶやくことができます。企業からしても、発言内容を参考にして、目的に応じて適切な人に聞けるというわけです。
では、ただつぶやきを眺めていれば声を拾ったことになるのか、と言えば違います。それが次の「アクティブ」です。

■アクティブ
ただつぶやきを眺めているような受け身(=パッシブ)の場合、例えば、「XXX使ってみたけど良かったです!」とあっても、何が良かったのか、どのように使ってくれたからなのか、といったすなわち5W1Hがわからないわけです。また、日本語の特性からして、「ヤバい」といったようなコメントに対して、コンテクスト(文脈)がないとポジティブなのかネガティブなのかわからない。
そこで、こちらから問いかけて傾聴すること、著者の言う「アクティブ」、の重要性が出てきます。何が良かったのか/悪かったのか、なぜそのように思ったのか、どのようにして欲しいのか、といった意見を企業側から積極的に問いかけるわけです。
では、一体このような作業を誰がやるのが適任なのでしょうか(つまり、このような作業は一体何という作業なのでしょうか)。それが次の「サポート」です。

■サポート
上記したように、傾聴がキーワード。この傾聴のプロがカスタマーサポート部門(業務)であるというのが著者の主張です。(人によるとは思いますが)マーケティングや広報のプロは、自分の言語で話してしまったり、仮説をベースにきいてしまったり、そもそもの業務に傾聴とは別の目的があるわけです。
また、消費者は、目の前にある製品やサービスに対してダメ出しすることや批評が大の得意。これを受け止め慣れているのもサポートだということです。ということは、この手法は既存顧客のリテンションや(リアルタイムにまで高頻度で高速な)製品・サービスの改善に使えそうですね。
ただこれはサポートが前面に出るという話であって、本質的な課題解決や対応を行うためのマーケティングへのつなぎ方や組織体制の設計は重要だと、著者も仰っておられました。


以上が、本日お話を伺っての、私の現時点での理解です(なにせ、まだ読めていませんので、理解が不十分なところもあるかも。。)。他にも実務的な方法論や事例が色々と紹介されているようですよ。
・・・と書いていたんですが、著者が書かれた「アクティブサポートについて」というエントリーを見つけてしまった。こちらの方がわかりやすいと思います。。

ちなみに、『グランズウェル』に、著名ブロガーであるジェフ・ジャービスの下記のコメントがあったのを思い出しました。
「買うときは慎重に」 これは、ちょっと違う。現代の合い言葉は「売るときは慎重に」だ。今の消費者は黙っちゃいない。企業にだまされたら反撃し、情報を開示し、連帯する。
これは、さらに「ちょっと違う」のかも。正確には「売ってからこそ慎重に」かも知れないですね。


さて、読み進めるに当たっては、下記のような目的意識を持っていこうと考えています。

・ゼロベースで消費者にアイデアを出してもらう、ということはどうなのか
これは、消費者の得意分野から考えるとなかなか難しいということと、そこは一定程度企業側からプロダクトアウトすることが重要なのではということが、著者の主張。ただ何かうまい消費者の巻き込み方あるのではないのかな、と思ったりもして。

・「Twitterアクティブ~」の”~”に当てはまる他の言葉はないか
上記で「マーケティングや広報は・・・」と書きましたが、サポートをこれらの言葉に置き換えれば、それはそれで成り立つのではないかというのが私の考え。マーケティング=傾聴という論もあるように、どのようにこの考えを広義のマーケティングに取り入れていけるのか、自身の中でもよく考えてみたいとは思います。

・B2Bのビジネスへの応用はどうなのか
B2Bでは、サポートの専門性はB2Cより格段に増しますし、当然コストもかかります。また、(消費者よりはという意味で)マスが対象ではなくなるので、ある程度既存でもきめ細かな対応はしているはずで、既存のやり方に加えた効果が見出せるのか、ということも問題になってきそうです。そもそも、ツールとしてTwitter使えないかも。。その辺も鑑み、思案してみたいです。


(おまけ)
著者の@smashmediaさんからは、他にも色々と刺激をいただきました。歴史の話(営業妨害かも知れませんが、恐らくこっちの方が目が輝いておられた)、個人で東京から離れて自分のペースで仕事をされている話、昨今のソーシャルメディアについての話、などなど。また機会があればご一緒させていただきたいと思う魅力的な方でした。

3 件のコメント:

  1. 紹介ありがとうございます!

    ツイッターに限らず、できる・できないという可否の問題というのはあまりなくて、あるのは向き・不向きだけだとぼくは思ってます。
    なので商品開発でもB2Bでもできなくはないと思う反面、向いてはいないだろうとも思うんですね。

    このあたりは企業と消費者のこれまでにつちかった関係性などにもよると思うので、いちがいに断定はしづらいのですが。

    ただ「消費者の本音を深掘りする」ことにおいては、ツイッターでのアクティブサポートはすごく可能性がありますね。

    p.s.
    歴史の話は次回にもっとしましょう♪

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  2. 河野さん

    コメントありがとうございます!
    なるほど。できる/できない、ではなく、向き/不向き、ですか。ゼロイチではなく程度の問題というのは、色々な可能性を考える上で重要な考え方ですね。

    自分なりの視点でまた拝読させていただきます。

    歴史の話、次回楽しみです!

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  3. はーい、ぜひまた!

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