「これって分析って言うの?分析ってなんだろう。」
あるレポートを読んでいて思ったことです。
これがそのレポート>>日本医師会総合政策研究機構のワーキングペーパー「医薬品産業の2010年度決算」
「分析と整理を混同している」
読んでいて感じたことです。実際にこのレポートの中でも「~医薬品産業の決算を整理した」という記述もあれば、「連結経営指標(売上高、経常利益など)を用いて分析した」という記述もあり、混同していることがわかります。
ちなみに、特にこのレポートや機関を批評したいと言うことではなく、日常の業務の中でも往々にしてやってしまいがちな混同であると思うためのメモであることを断っておきます。
(ややこしいですが)それこそ整理をすると、下記のようなものは、事実を言葉で補足したり、事実を並べ替えたり比較したりした、情報の「整理」にあたると思われます。
・売上はXX%上昇した
・営業利益が1000億円以上の企業はXX社
・売上高、利益率等をランキングにする
では、「分析」とは何か。大辞泉によると、「複雑な事柄を一つ一つの要素や成分に分け、その構成などを明らかにすること」だそうです。
ビジネス的に考えますと、例えば、売上をその構成である単価×数量×客数に分解して、売上上昇要因を探る、あるいは、ランキング上位・中位・下位の企業情報を洗い出し、共通する法則性を見出す、といったことであると考えられます。
つまり、なぜそのような事実が生まれたのかという要因の探求と背景情報との紐付け(why)、を行うことです。
この「整理」と「分析」の違いは思った以上に大きく、表層的な事象の把握にとどまるか、本質的な問題や事象の根っこに辿り着こうとするか、そこには大きな溝があるように思います。
例えるなら、ゴルフで飛距離が伸びた時に、従来の平均よりもXXヤード伸びた、誰それさんと比べてYY%遠く飛んでいる、というのが「整理」。飛距離が伸びたのが、追い風によるものか、自身のトレーニングによるものか、クラブを変えたからなのか、要因を見極める、これが「分析」。「整理」だけではそこからほとんど何も重要なことは見えてきません。あっ、だから私のスコアは伸びないのかな。。
このwhyを探る「分析」を通じて、初めて、取り上げた事実は何を意味するのかというso whatに辿り着けるのかと思います。
単なる「整理」にとどまったところから、一足飛びにso whatに行くと、例えば「売上は軒並み上昇している⇒製薬企業儲けすぎ、もっと薬価下げても全然大丈夫」といった短絡的な打ち手が導き出されかねません。
と、偉そうに書いていますが、身の回りの資料を見てみると「分析という名の整理」が結構あったりします。自戒、自戒。。
そんなことを書いている中で、こんな言葉を見つけました。これもまた真実なり。
「あんまり自分がやりたいと思っていることを分析しようと思ったことはないんです。分析した途端にくだらなくなってくるから。」(宮崎駿)
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