そんなエントリを書いたのもつかの間、『No Surveys in 18 years!』という、より刺激的な記事に目がとまりました。以前、マーケティングリサーチの12の新しい潮流について取り上げたエントリで引用したRay Poynter氏のブログです。
短い記事なので原文を読んでもらうのが早いと思うのですが、抄訳で論点をメモします。
*******************************抄訳はじまり*******************************
サーベイはこの18年でなくなる。(2年前に20年でなくなるとした考えから変化なし)
なくなるとする理由は下記。
- 「長い」「退屈」で形容される現在の多くのサーベイが、改善される気配がない。むしろブランドモニタリングやCSサーベイ等にいたってはより悪化してきており、回答者の協力率も低下している
- 伝統的なサーベイは遅くて、高くて、クライアントニーズからすると洞察が浅い
- 関心の焦点が、「実際の会話」に移ってきている
かと言って、ソーシャル・リスニング/モニタリングが既存のサーベイに取って代わるとも考えていない。
サーベイとの置き換えが起こるのは下記の2つ。(あえて原文の言葉のままで)
- Single questions
- Discussions
そのベースになるのはコミュニティ・パネルとアクセス・パネル。
- コミュニティ・パネル:一つのブランドやトピックに関連付けられたコミュニティとしてのパネル
- アクセス・パネル:料金を払えば誰もが都度利用できるパネル
この中で何か新しい知見を得ようとした場合に利用されるのは、モバイルからも答えられるような1つか2つのシンプルな質問(Single questions)。恐らく自由記述が多くなるだろう。
人々が何を考え、何を知っているかを窺い知る、より自然な方法はディスカッション(Discussions)。ソーシャルメディアにおいて質問を投げかけたり会話の輪を作り上げたりするような動きが生まれる。
ただし、サーベイも幾つかの形式では残る。
コミュニティ・パネルに属さない人に対する社会調査、心理学的な調査、5,6問くらいでモバイルで答えられるミニ調査など。
ただし、2011年現在主流の20問~40問のチェックボックスやグリッド形式を多用した調査はなくなるだろう。
*******************************抄訳おわり*******************************
Ray Poynter氏は上記にあるコミュニティ・パネルというものを推進している人のようなので、やや偏った意見になるのかもしれませんが、DIYのような「シンプルに、コスト安く、より早く」というところは方向性として似ています。あとは、「会話」といった部分や「データ解析」といったところが既存のサーベイには難しい、新しい価値軸なのですかね。いずれにしても、マーケティングリサーチには進化・変化が求められていることは間違いないように思います。
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